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屈折率分布型(GRIN)レンズとは?


屈折率分布型(GRIN)レンズとは?

セルフォックマイクロレンズの写真

1968年、日本板硝子株式会社は世界に先駆けて、イオン交換でガラス棒の中に放物線状の屈折率分布を作ることに成功しました。株式会社ゴーフォトンは、現在、日本板硝子(株)よりライセンスを受け、世界で初めて商品化された屈折率分布型レンズである、セルフォック®マイクロレンズの製造・販売を行っております。


セルフォック®レンズは、屈折率分布型のレンズです。

従来のレンズは曲面形状をしているのに対し、セルフォック®は円柱形状をしています。セルフォック®はガラスの中心軸から外周部へ向かって放物線状に屈折率を分布させることにより光を曲げる効果を得ており(これを屈折率分布、と呼びます)、従来の凸レンズと同様に平行な光を集光させることができます。

屈折率分布型レンズは、その端面が平坦であり、脳神経の観察においては、レンズ近傍の組織を容易に観察することができます。更に、セルフォック®では、その長さを変更することによって、容易に焦点距離を変更することが出来ますので、ご希望の観察部分に最適な設計のレンズをご提供させて頂けます。
球面を持った一般的なレンズでは、焦点距離を変更する方法として、その曲率を変更する等の作業が必要となりますが、この作業は非常にコストがかかります。

  • 屈折率分布曲線セルフォックレンズの参考図

    ■屈折率分布曲線(参考図)セルフォック®レンズ
  • 凸レンズ、一般的な球面を用いたレンズの参考図

    ■凸レンズ(一般的な、球面を用いたレンズ)
  • セルフォック®レンズの参考図

    ■セルフォック®レンズ

セルフォック®レンズの特性

セルフォック®レンズの特性は、レンズ長Z、ピッチP、屈折率分布定数√Aで表され、これらのパラメータには以下の関係があります。

数式


Z:レンズ長

レンズ中心軸の長さです。
レンズ中心軸の長さの参考図

P:ピッチ

ピッチは、レンズ内を通る光線の蛇行周期を表します。以下に0.25ピッチとその整数倍のピッチの原理を示します。
  • ピッチの原理:0.25Pの参考図

    0.25P
    無限遠にある物体の倒立実像が出射端面上に結像する長さです。逆に点光源を入射端面の中心におけば、平行光を得ることができます。
  • ピッチの原理:0.50Pの参考図

    0.50P
    入射端面においた物体の倒立実像が出斜端面上に結像する長さです。
  • ピッチの原理:0.75Pの参考図

    0.75P
    無限遠にある物体の正立実像が出射端面上に結像する長さです。

レンズ中心の屈折率(軸上屈折率)

セルフォック®マイクロレンズではレンズ中心の屈折率(軸上屈折率)が最も高く、外周部に行くに従って低くなります。レンズ中心を原点として、半径rの位置における屈折率 n(r)は以下の式で表されます。

数式

N0 : 軸上屈折率
√A : 屈折率分布定数
物性値

  • 縦弾性係数 :6000~8000 (kgf・ mm-2)
  • 比重 :3 (g・cm-3)
  • 線膨張係数 :10×10-6 (℃-1)
  • ポアソン比 :0.245

(株)ゴーフォトンは、日本板硝子(株)の協力により、”Free Moving Animal”、”in vivo”での、蛍光イメージングに最適な屈折率分布型レンズの、最新シリーズ、CLHシリーズを開発しました。